補助金プロジェクトの取組み方
補助金について「補助金プロジェクト」と題しますと難しく感じるかもしれません。 プロジェクトは、「知識駆動型プロジェクト」でご説明のとおり、 定常的な繰返し型の業務でなく、ある目的・成果を達成ための期限限定の事業には、有効な活動形態です。 複数の関与者がいて、複数の遂行メンバーで行う場合は、プロジェクトとして取り組むのがよいと考えます。 プロジェクトでは、過去の経験から蓄積・整理されたプロジェクトマネジメントの知識体系があります。 これらの知識を活用して、補助金プロジェクトでも取り組むと良いと考えます。
- 補助金について:例えば「ものづくり補助金」を活用しようとしても具体的にどう取り組むの?
- 補助金活用のメリット、デメリット、制約条件は何があるの?
- 補助金に取り組むとは、どのようなこと?
- 補助金のことは、良く知らないからどうのような内部、外部の支援者・組織に依頼したらよいのか?
プロジェクト初期段階の特徴
プロジェクトの初期段階では、アイデイアレベルやもやもやした状態から始まります。
プロジェクトとして立上げ
プロジェクトとしてのリーダー(PM:プロジェクトマネジャー)を決めて立ち上げます。
- 目的・成果を明確にして、関与するメンバーが理解できるようにします。
- どの様な手順(プロセス)と作業内容(プロジェクトWBS)で行うかを明確にして、メンバー間で情報共有して理解できるようにします。
- 関与者(ステークホルダー)と(プロジェクトチームの)メンバーが誰かを特定し、どのような役割を担当するかを理解できるようにします。
- メンバーに何を期待するかを理解してもらい、担当作業が実行可能か自己確認してもらいます。
- 課題・問題点があれば、意見交換して対応策を決めます。
- 実現の障害となる不確定要素(リスク)があれば、特定し、対応策を協議します。
- そして、プロジェクトとして取り組みます。
下記の様な一見独立の様に見えるプロセスをつながりを考えてプロジェクトマネジメントをする必要があります。 これがバラバラなプロセスとなり混乱を招くと最終的な事業成果が達成できません。
補助金プロジェクトと他のプロジェクトとの整合性
補助金プロジェクトでは、補助金の対象となる主プロジェクト活動と更には、プロジェクトとの最終成果 となる事業目的を達成するための他のプロジェクトとの整合性を持って進める必要があります。
- 全体を見える化⇒プロジェクトを立上げ⇒何が課題か!何が問題か!⇒プロジェクト計画を立てて
- 専門的なりますが、必要に応じてプログラムマネジメント、プロジェクトマネジメントの知識を活用して
- 初めは充分な知識や経験がないので人材育成や必要な専門家の支援を受けて取組む
- 中小企業向けの「ものづくり補助金」の全体体系では、この点をかなり掘り下げて、関連支援補助金や支援組織など作りこまれている。
ものづくり補助金プロジェクトのプロセス
主プロジェクトのプロセス
主プロジェクトとしてロボットを生産工程に導入する場合は、下記の様なプロセスになります。
出典:一般社団法人 日本ロボット工業会(JARA)
:ロボット活用の基礎知識
他の補助金を活用してプロジェクトを進めるプロセス
新たな設備に対応しての人材育成・教育なども並行して進める必要があります。
市場開拓などの事業戦略のためのプロジェクトとの整合性
新たな設備を補助金を活用して、導入するだけでは成果は達成できません。
顧客価値を高め市場開拓や既存顧客の深耕を図る必要があります。
また、社内的には今まで当該作業に関わった要員の処遇や配置転換なども計画する必要があります。
単にロボットを導入し、効率化、品質向上、自動化などを図るだけでは企業の活性化は困難です。
商流・物流のサプライチェーン(SCM/CRM、ホームページなど含む)の見直し
場合によっていは、同一製品/商品の調達や流通チャネルの多様化が起こり、製品種・商品種ごとに 流通チャネル・調達チャネルが異なり、その対応のシステム化も必要になります。