価値共創型プロジェクトとは!!

「価値共創型プロジェクト」とは、価値共創を実現するプロジェクトです。 知識駆動型プロジェクトの核となるプロジェクト類型として位置づけるものです。

  • 価値を享受する側と価値を創造する側をつなぎ、そのプロセスに関わる個人・組織が価値を共に享受できるシステムを実現する プロジェクトです。
  • 実世界およびIT上のバーチャル世界を通じてつながりを育て上げ、共有価値を創造していくプロジェクトです。
  • 価値共創とは、2004年に米ミシガン大学ビジネススクール教授のC.K.プラハラードとベンカト・ラマスワミが、 共著『The Future of Competition: Co-Creating Unique Value With Customers (邦訳版:価値共創の未来へ-顧客と企業のCo-Creation)』で提起した概念。

価値共創型プロジェクトの背景

プロジェクトで生産側・提供側が価値を一方的に提供するのではなく、生産側・提供側・流通側と利用側・消費側の双方がプロジェクトに参画しながら 価値創造をすることが適している、効率的である、効果的であるプロジェクトが存在します。

  • 価値は、それぞれ個人・組織の個性/特性/文化/嗜好/成熟度などによって評価・感じ方が異なる。
  • 価値判断は、同一の個人・組織でもその時の社会環境/経済環境やその個人・組織の状況でも異なる。
  • 価値創造から価値の享受でのプロセスでは、国・地域・個人・組織・技術・知識・サービス・製品など多くのつながりが存在して実現している。
  • 価値とは、価値を享受する側と提供する側との壁を超えたつながりを持たせて、 場・その時・状況に応じたダイナミックな仕掛けを実現することが必要となる。
  • 価値の多種多様化、多重化、連結化によるさらなる価値の増大が図られる。
  • 価値を享受するのは、価値創造から価値を受ける最終の顧客・利用者だけでなく、 プロセスに関わる関与者も経済的・精神的なメリット・喜びを享受できることを最終目標とする。


    • 価値と「マズローの欲求5段階説」

      人間の欲求は限りが無いようですが、どこかで「足(た)る」を知ることも必要と感じますが、それ以前に 欲求とはどのようなことに基づいているかを知ることが大切と考えます。 必ずしも「マズローの欲求5段階説」のように順次に段階を追って発生・充足するものではない場合もありますが、 考え方として「価値共創型プロジェクト」にとって非常に大切な考えです。



      価値共創型プロジェクトの特徴

      何ごとも目に見える、目に見えないに関わらず多くのことがつながっている、そのことを認識して 相互の価値とそのつながりをより、意識的、見える化して、強化・連携を図りプロジェクトの目的・目標を実現します。

      • 価値享受のプロセスに関わる個人・組織の参加型・双方向コミュニケーション・知識共有・情報共有
      • 「マズローの欲求5段階説」のように個人・組織のそれぞれの状況に応じた価値創造・共有に取り組む
      • 組織・地域・国・民族などの壁を超えたつながりの実現
      • 個人・組織の欲求を超えた共通・共有価値のシェアリング

      価値共創型プロジェクトでの価値テーマ

      下記の価値テーマの例は、一見、相互に相容れないと考えられる内容もありますが、 何を重点に取り組むかを考慮して、バランスを配慮して取組みます。 他を犠牲にして探求するのでもありません。

      • 安全/安心/安定/安らぎ
      • 幸せ/幸福/ハッピー/充足感
      • 冒険/チャレンジ/非日常化
      • 改善/改革/変革
      • 個性/特性
      • 参加/つながり/連携/共有/コラボレーション
      • Win-Win/共通/社会/共存・共栄
      • 環境/自然

      価値共創型プロジェクトの候補分野

      価値共創プロジェクトでは、 営利と非営利の境界があいまいになる。 目的が地域社会で困っている課題を解決し価値を生み出し、それにより双方が価値を享受できることにあります。

      • 知的コンシェルジュ:
        利用者がある場所・地域に移動(計画を含む)した時、利用者との対話型入力により、 その個人の嗜好・状況に応じたお奨めのガイド情報・お得情報(商品・サービス・見所・クーポンなど)が提供される。
      • 産消流コラボネット:
        生産者・消費者・流通・加工業者がコラボレーションして、新たな製品・商品・サービスを創造・提供して価値を享受する。
      • エネルギーの利用とロジスティクス:
        各種プロセスから、輸送、建造物、サプライチェーン、流通チャネル、サポート・サービスに至るまで、バリューチェーン全体のエネルギーの利用を見直す。
      • 資源の有効利用:
        水利用、原材料、包装などの分野の新しいアプローチ、リサイクルや再利用の促進を図る。
      • クラスターの形成:
        地域社会、学術組織、業界団体、関連企業、サプライヤー、サービスプロバイダーなどとのクラスターの形成
      • 知育・教育の改革:
        現状の教育の有り方を見直し改革を図る。
      • 老朽化・保全の対応:
        社会インフラの老朽化・保全を対象とする改革を図る。

      参考になりそうな候補(分析中)

      • 銀座ミツバチプロジェクト
      • 一般社団法人いなかパイプ