プロジェクトで必要となる「個人技能」とは!!
プロジェクトで必要とする要員、特に専門家が欠如する場合は、重大なプロジェクトのリスク要因となります。 しかし、限られた期限内で目的とする成果を達成するプロジェクトでは、不足する専門技能を時間をかけて育成することはできません。 このため、必要とするメンバーのスキルと実際の参加メンバーの技能の充足を見極めてリスクマネジメントや調達マネジメントなどを 実施することが求められます。
さらにプロジェクトに参加する要員となる各個人は、自己の技能を日頃から向上を図る必要があります。 自己が専門とする個人技能がどの程度のレベルか把握し研鑽を行なと同時に、個人技能を評価するのは他の人や組織・企業 ですから客観的に見える形で残すことも重要です。 それは、資格や実績として見える化することも必要ですが人的なつながりも重要となります。
最後に、個人技能は自己の専門分野の狭い領域だけに注力するのではなく、個人の人格形成の基盤となる知識や他の専門領域 に関わる知識も持つことが必要となります。 プロジェクトの上流プロセスでは発想・アイディア・閃きなどが必要となります。 また、プロジェクトでは、短期間に多くの人との協働活動が必要となります。 このため双方向のコミュニケーションが欠かせません。 相手を理解し、時には今までにない創造的な目標や成果を形成する活動には、広く柔軟で確固たる個人技能が求められます。
個人の技術・マネジメント技能
知識駆動型プロジェクトにおける参加メンバーに求められる個人技能には下記のようなものがあります。
- 広い視野・知識と役割を遂行する知識の向上力
- 最終成果の達成への視点をもって知識を活用る協調力
- 物事の本質を見極めコミュニケーションする力
- 仮説を立てて検証し、実現する力
- プロジェクトの創造生から壁が発生することがありこれを突破する信念の力
- 目に見えないつながりを理解し、最もバランスのよい所で最終成果を創造する力
- 普段の学習・研究の努力を継続する力
- 客観的に自己検証し、改善・改革する力
- 地球の持つシステムと人類活動との調和力
分類 | 項目 | 内容 |
---|---|---|
コンピテンシー | PMコンピテンシー | PMコンピテンシーは、プロジェクトマネジャーとしての行動の適切さを表現する指標です。 |
コンピテンシー | プロジェクト・マネジャー・コンピテンシー開発(PMCD)体系 | PMIが提供する体系で、プロジェクト・マネジャー・コンピテンシーは、以下の3つの次元に分類 ・知識 プロジェクト・マネジャーがプロジェクト活動におけるプロセス、ツール、技法の適用に関して知っていること ・実践 プロジェクト・マネジャーがプロジェクトの要求事項を満たすために、プロジェクトマネジメントの知識を適用する方法 ・人格 プロジェクト・マネジャーがプロジェクト環境の中で活動する時の行動の方法 |
資格 | 各種の資格 | 対象プロジェクトに必要となる各種資格があります。
資格取得とその維持に必要な学習は、対象領域の知識を体系的に習得することができます。 資格も机上の知識だけでなく、経験も加えた資格、さらには、継続的に当該分野の知識を研鑽・向上させる努力が必要です。 また、当該資格者のコミュニテ―に参加して、専門家同士の交流や異なる専門家との交流も役に立ちます。 |
コミュニケーション | コーチング | 人と人とのコミュニケーションの仕方は、プロジェクトではとても大切です。 上司が部下に指導するようなコミュニケーションでは、プロジェクトの問題が潜在化するだけです。 コーチングの技法を学ぶことでより円滑なコミュニケーションが実現できます。 |
コミュニケーション | ファシリテーション | プロジェクトでは、日常緊密な関係を構築できていないメンバーも加えた会議が行われます。 また、プロジェクトの状況を適確に把握し、適切なコミュニケーションを図るにはファシリテーションの技法が欠かせません。 プロジェクト会議では、一方的に報告を求める場でも連絡事項を通達する場でもありません。 |
人的ネットワーク | 人的ネットワークの構築 | 組織内や各種団体などの活動を通じて、人的ネットワークを形成し必要な知識支援が得られるようにすることが大切です。 たとえば、Facebookなどで人的ネットワークを維持することも一助となります。 |
個人技能の基盤となる知識
プロジェクトは協働事業であり、個人の人格や人間力の向上がその原点となります。
分類 | 項目 | 内容 |
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コミュニケーション力 | リフレクション力 | プロジェクトマネジャー、リーダは時には自分の考えが間違えていること、自分よりメンバーの思考や視点の方が優れていることを 素直に認めること必要です。 リフレクション(内省)とは、自己の価値観、前提思考、過去の経験に問いかけ、内省することができることが大切です。 |
コミュニケーション力 | クリティカルシンキング (批判的思考) |
互いの価値観を受け入れ、ブレイクスルーを起こすためには、自分自身の思考にクリティカル(批判的)になることが求められます。
クリティカル・シンキングは、MBAなどのマネジメントによく取り上げられている内容です。 (クリティカル・シンキング:リチャード・ポール/リンダ・エルダー[著]、東洋経済新報社[発行]など) |
人格形成 | 呻吟語 | 人生の指針や心の拠り所として、さらにプロジェクトのように新たな挑戦に当たっては心強い拠り所となる。 |
人格形成 | 菜根譚 | 処世や修養の要訣を説いた人生の書・心の書として昔から愛読されている。 |
出処応対 | 伝習録 | プロジェクトに従事するとき迷いが時に読み返すと見えない力を得られます。 |
成功要因 | ナポレオン・ヒル | ナポレオン・ヒル・プログラム 成功するための17のノウハウ |
成功要因 | 論語と算盤 | 明治の偉大なビジネスマンである「渋沢栄一」の著述であり、現代のプロジェクトでも有用な知識が豊富です。 |
SE向けの素養 | SE対象の内容ですがプロジェクトマネジメントにも通じる内容です。 |