イベント型プロジェクト

イベント型のプロジェクトは、フォーラム、お祭り、講習会/セミナー、交流会、音楽会、スポーツ大会など様々な形態があります。 イベント型のプロジェクトへの種々の組織での参加経験などの情報から整理し、まとめています。 イベント型プロジェクトの実施の参考となれば幸いです。

イベント型プロジェクトの特徴について

特徴的なのは、責任者(PM:プロジェクトマネジャー)と核となるメンバーは、過去にも同様のイベントを経験している場合が ありますが、その経験・知識は必ずしも体系的に整理され、改善されていないことも多々あります。 また、その都度新規に参加するメンバーやボランティアでの協力者が加わりますので、その点での対応も考慮した取組みが必要になります。 そして、企業のイベント型プロジェクトとは異なり、プロジェクトメンバーは、通常の業務としてイベント作業を実施するのではないことです。 プロジェクトマネジメントの知識は勿論、それぞれ初対面のメンバーが含めれる活動への理解が不足しているのが実態です。

  • プロジェクトとしての認識が非常に薄い。
  • 種々の組織に所属する方々や個人が参加してイベントを推進する前提での認識に欠ける。
  • 参加要員のイベント遂行に関わる知識レベル・イベントへの目的の理解がバラバラとなっている。
  • リーダーの経験による暗黙知が主体となり過去の経験をもとに遂行している。
  • 過去の経験・ノウハウが形式知として整備されていることはほとんどない。
  • 実施は成り行きに対応した臨機応変な対応が多く、人により作業の質に大きな差を生じやすい。
  • 情報の整備度、共有度が低く何がどのように推進されているかわからないことが多い。
  • 作業項目(WBS)、体制、役割分担、指示命令系統が曖昧である。
  • 参加者の意見を確認して役割分担や作業内容を配分・決定することが少ない。
  • 過去の実施の経験・知識・反省事項が資料などのドキュメントや共有資産として残されることが少ない。 

これらの特徴があっても全体として不効率でもなんとか多くの人手をかけて、 臨機応変に対応することで無事に遂行できているのが現状です。
 しかし、より効率的、効果的にイベントを推進するには、 プロジェクトマネジメントの知識を取り入れたプロセス、技法、ツールを取り入れると良いと考えています。 イベントの実施を通じてプロジェクトマネジメントを学び、 日常の業務でもプロジェクトマネジメントの知識を取り入れた進め方がより良い業務遂行にもつながると考えます。 さらにイベントの受益者にとってどこが主体となるイベントかということよりもイベントに参加して満足したどうかの価値の提供が大切です。

イベントプロセスについて

  • 企画:プロジェクトマネジメントでの「立上げプロセス」に相当します。
  • 計画:プロジェクトマネジメントでの「計画プロセス」に相当します。
  • 実施:プロジェクトマネジメントでの「実行プロセス」に相当します。
  • 終結:プロジェクトマネジメントでの「終結プロセス」に相当します。
  • 制御:プロジェクトマネジメントでの「監視・コントロール・プロセス」に相当し、
項番 プロセス 主要作業 備考
企画
  • イベントの企画書の作成(目的、概要、収支計画、必要リソース、前提条件・仮定条件・制約条件、リスク、 体制、概略スケジュール、会場、マイルストーンなどを記述する。)
  • イベント企画の承認
  • 目的・企画内容の良否、収支の判断が重要です。
  • 企画が最も大切
計画
  • イベント内容の詳細定義
  • 作業定義、作業順序の設定、所要期間見積
  • リソース計画の立案、リソース見積、コスト見積、予算設定
  • 体制の設定、作業分担の設定、スケジュール作成
  • リスクの特定、定量化、対応策の策定など
  • プロジェクト体制の計画、メンバーの確保
  • 外部調達計画
  • 実現性の検証
  • 作業分担は主体的なコミットメントを誘導
  • リスクを判断
  • 評価基準を設定
  • 計画は時間と共に詳細化
  • 情報の共有
実施
  • プロジェクト計画に従い遂行
  • 情報の収集と配布、メンバーの育成・教育・訓練、調達の実施
  • イベントの実施
  • 計画に従って実施
  • 計画外はPMがコントロール
終結
  • 反省事項・引継事項の整理
  • プロジェクトメンバーのリリース
  • プロジェクトの終了手続き
  • プロジェクト評価・報告作成
  • 教訓など次に引き継ぐものを生成
制御
  • 計画の進捗状況の把握と遅れの是正策の決定
  • マイルストーンの設定
  • 計画変更の決定
  • コスト管理
  • 問題点・課題の把握と対応策のモニタリング
  • リスク発生の兆候の把握とリスク対策の指導
  • 支援ツールによるモニタリングと対話を重視したコミュニケーション
  • 規模によってはPMを補助するプロジェクトマネジメントオフィス(PMO)を設定
  • スピード、正確性、適切性が重要
  • 計画との対比

プロジェクトマネジメントの適用に関して

プロジェクトには、国家や大企業などが推進する大規模プロジェクトから地域組織、商店街、 NPO、中小企業が推進する小規模プロジェクトまで様々なプロジェクトがあります。 小規模なイベント型プロジェクトでは、プロジェクトマネジメントでのフルセットを必要としません。 また、プロジェクトの特性に応じて適用内容も変化させる必要があります。 ここでは、必要最低限の基本的な内容をご紹介します。

項番 項目 内容
企画・運営ガイド イベントが定期的に繰り返し実施し、毎回、参加メンバーの入れ替えが行なわれので全体概要を 理解してもらう情報の整備が必要となります。
企画書 基本的な記述項目を設定したテンプレートと個別イベント毎に追加的に添付する内容の例
標準WBS 標準的なWBSを整理したテンプレート
標準体制 標準的な体制表と役割分担を記述した内容のテンプレート
当日スケジュール 過去の事例による当日のスケジュールのテンプレート
当日持ち込み品 当日イベント会場に持ち込む資材のリストのテンプレート
Web等広報原稿 広報活動での原稿の作成用のテンプレート
アンケート 今回の評価と次回以降につながるアンケート
マイルストーン 進捗管理用のマイルストーンチャートのテンプレート
10 収支計画 収支計画をまとめるためのテンプレート
11 支払関連 セミナーですと講師などへの支払い方式
12 参加者報告 参加者の反省事項等の自己評価報告
13 課題管理 実施過程での問題点・課題管理表

上記の内容がよりイメージが持てるようなサンプルやWebページでの情報共有環境などの整備を、 を更に行うと効果的と考えます。